SK VMSブログ

SK VMSで負荷分散システムの構築を~高解像度、高フレームレート映像がサクサクと~ 

SK VMSの知識 —

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1.従来のクラウド集中構成

(1)クラウド集中構成の概要

クラウド集中構成では、拠点側にあるカメラや閲覧PCがクラウドサーバへ接続され、クラウドサーバはライブ再生、録画及び再生、システム管情報管理(*)などの処理を担当します。
*カメラ設定、録画設定、システム設定等

クラウド集中構成

(2)映像データの流れ

⓵閲覧PCがライブ映像を再生する際のデータ流れ

閲覧PCがライブ映像を再生する際のデータの流れ

⓶録画データが各HDDに書き込まれる際のデータの流れ

閲覧PCが録画映像を再生する際のデータの流れ

録画データが各HDDに書き込まれる際のデータの流れ

(3)クラウド集中構成の問題点

従来の映像監視システムにおいて、カメラをクラウド側に集中させる構成は、低解像度、低フレームレートの映像データ及び接続カメラ数が莫大となるシステムでは成立していましたが、昨今のような高解像度、高フレームレートの映像を扱う場合は、カメラ数の増大に伴いクラウドサーバに負荷(映像処理、回線帯域)が集中し過ぎてシステム運用が困難な状況になります。

[クラウド集中構成の問題点]

  • 特に高解像度、高フレームレートの映像では処理がクラウド側に集中する為、高負荷状態となる。
  • 高負荷となり最悪クラウドサーバが停止するとシステム全体が機能しなくなる。
  • システム全体の性能を上げる為には、クラウドサーバのハードウェアスペックを上げる必要がある。しかし、ハードウェア性能には限界がある為、大量データを処理する事が困難となる。

2.SK VMSによる分散処理システム

(1)分散処理システムの概要

分散処理システムで、クラウドサーバとカメラの間(拠点側)にエッジPCを複数配置して、VMS処理(ライブ再生、録画及び再生)や映像圧縮・配信処理を担当します。これにより映像管理システム全体の負荷を分散させます。クラウド側はカメラの映像録画のみを担当します。

分散処理システムの概要

[SK VMSによる分散処理システムの利点]

  • 拠点側では、カメラ映像を当社圧縮エンジンで圧縮処理して、システム全体の処理負荷を軽減します。動画圧縮により後続処理であるライブ再生や録画及び再生等、処理負荷や回線負荷を軽減できます。
  • 映像の動画圧縮は、グラフィック処理ユニット(GPU)とCPUを併用するGPU加速コンピューティング(*)で処理させることで、CPU処理能力を占有することなく動画圧縮が可能となります。その為、VMSに多くのCPU処理能力を割り当てられますので、ロースペックな小型PC1台で動画圧縮とVMSを同時稼働させる事ができます。
    *高負荷が掛かる数値計算プロセスをGPUに割り当て、CPUはそのプロセスの管理のみ実施。
  • 拠点側で映像データを処理する事によって、クラウド側に高スペックサーバは不要となり、クラウド側は映像データの蓄積に特化(NASのみで構成)させる事ができます。その為、ディスク容量を拡張したい場合にはNASを増設するだけで容易に拡張できます。
  • 映像データは拠点側で圧縮してるので、高解像度、高フレームレートの映像データでも、回線に高負荷をかけずに送受信が可能となります。また拠点―クラウド間の通信はVPN接続することで、高セキュリティで映像データの送受信が可能となります。
  • 録画データの書き込み先であるストレージ(HDDやクラウド側のNAS)を複数用意することで、ディスクI/O負荷を分散させ、パフォーマンスが向上します。*詳細は後述する。

(2)映像データの流れ

⓵ライブ映像データの流れ

ライブ映像データの流れ

⓶映像録画データの流れ

映像録画データの流れ

➂録画映像を再生する際のデータの流れ

録画映像を再生する際のデータの流れ

3.ストレージ(HDDやクラウド側のNAS)並列構成による録画の分散処理

小型PCは録画する映像データを一定間隔で細かく分割し、小型PCに搭載されているHDDやクラウド側のNASにバラバラにデータを書き込みます。書き込む際には、ディスクを常時計測しており、ストレージの空き容量が均一になるよう、空いているHDDから優先的に書き込みます。また、書き込み先のストレージを複数用意することで、ディスクI/Oの同時発生を回避し、I/O負荷を下げる事が可能となります。

ストレージ(HDDやクラウド側のNAS)並列構成による録画の分散処理

各ストレージにバラバラに保存されている録画データは、書き込み時に生成される検索インデックスで管理している為、瞬時に復元が可能となります。

各ストレージにバラバラに保存されている録画データは、書き込み時に生成される検索インデックスで管理しているため、瞬時に復元が可能

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