UbuntuとCentOS – ② インストール直後の操作感の違い
SK VMSの知識 —
Linux閑話の第二弾です。
▼Linux閑話第一弾 UbuntuとCentOS – ①SKVMSでの対応
▼Linux閑話第三弾 UbuntuとCentOS – ③OSの設計思想を汲み取る!?
SK VMSサーバーはWindowsとLinuxの両方に対応していて、
当社SKVMSデモサイトやNVR-ProはUbuntuを利用しています。
- SKVMSデモサイト:https://sk-vms.systemk.co.jp/support/demo.php
- NVR-Pro:https://nvr.bz/nvr/nvr-pro/
そんな普段からUbuntuを利用しているユーザーが、今度はCentOSにふれる機会がありましたので、
操作している中で感じた違いを挙げていきます。
今回はデフォルト状態の操作感を比較していきます。
用語の説明を入れるととてもとても長くなるので、ばっさりカットします。
○比較バージョン
Ubuntu 16.04, 16.10, 18.04
CentOS 6.8, 7.8
1. 設定不要でssh接続できる
Ubuntuを別PCからコマンド操作する場合、openssh-serverの手動インストールが必要です。
CentOSではデフォルトで導入・firewall等の許可設定もされているので、何も考えずにssh接続ができます。
ただし、root権限(ユーザー名も固定)によるリモート操作が、
不要かもしれないのに勝手に許可されている状態とも取れます。
検証で使うぶんには便利ですが、本番環境や個人環境として使うには
きちんと理解したうえで適切なアクセス設定が必要になりそうです。
2. viエディタの使い勝手がいい
Linuxの基本テキストエディタのviは、Windowのメモ帳などと比べると操作にかなり癖があります。
文字の削除やカーソル移動はコマンドモード中にしかできず、
入力モード中にBackSpaceキーや矢印キーなどを押すとおかしな表示になってしまいます。
マウスも矢印キーも使えない時代にhjklキーでカーソル移動した名残のようです。
Ubuntuのviはこの仕様で、慣れが必要です。
やってしまった場合はEsc > u キーで一段階ずつ操作を戻せます。
vimエディタをインストールすれば、同じ操作方法かつ入力中カーソル移動も可能です。
CentOSでは、入力モード中に矢印キー等を押しても意図どおりにカーソル移動や文字削除が行われます。
viはLinuxマシンには必ず含まれるので、
お客様環境などで他の扱いやすいエディタを新規インストールできない場合にも利用できます。
そのような場合、少しでも操作しやすくなっているのは嬉しいですね。
ちなみにvi本気勢からすると、
キーボード上の手の移動が減らせるのでそもそも矢印キーは使わないほうがよいとのことです。
3. コマンドラインのプロンプト表示がスッキリ
コマンド操作する場合、以下のような表示がされます。
[ユーザー名]@[ホスト名] [現在ディレクトリ] $ [コマンド記述欄]
Ubuntuでは、現在ディレクトリをフルパスで表示します。
いつでも自分の位置がひと目で分かるのですが、
階層の深いディレクトリにいる場合はコマンド欄が圧迫されて結構邪魔です。
変更するには環境変数$PS1を設定します。
CentOSの場合はディレクトリ名のみを表示するので、コマンド欄は広くとれます。
ただし、迷子になりやすいのでpwdコマンドを度々打つことになるかもしれません。
4. コマンドラインのTab補完が効かない
Ubuntuではセットアップ直後からbash-completionというパッケージが入っており、
$ apt l[ist] –i[nstalled]
という具合に、[]内の自動入力や他候補の表示などができます。
CentOSでも同じようにすることはできますが、手動でbash-completionをインストールする必要があります。
これまでの項目は「CLIならCentOS」と云われる理由のような内容でしたが、
こちらはどちらかというとコマンド操作が面倒な印象を与える仕様です。
まずはコマンドラインから軽く操作したときに感じた違いから挙げてみました。
この辺りは少々設定をいじればUbuntuもCentOSも同じような動作にすることは可能ですので、
大きな違いではないといえます。
次回、もう少しOSの設計や理念を伺えるような違いに触れていきます。